第449回エフエム愛媛放送番組審議会
1. 開催年月日
2025年10月21日(火) 午後4時00分~4時30分
2. 開催場所
松山市竹原町1丁目10番7
株式会社エフエム愛媛 会議室
3. 委員の出席
委員総数/5名
出席委員数/5名
出席委員の氏名
委員長/ 稲浦 調
副委員長/ 真木 輝彦
村上 茉利江
二神 一誠
和泉 健弥
放送事業者出席者名
代表取締役社長/倉渕秀俊
取締役総務部長兼放送部長/戸嶋了一
編成制作部長/関千里
4. 議題
「伊予郡市SESSION」
5. 議事概要
伊予市・松前町・砥部町の3首長と司会の窪田ゆうこ氏によるトークを中心に、率直で本音の議論が交わされる点が番組の大きな魅力となっている。人口減少をはじめ、行政サービスの標準化や公共施設の共有化など、地域の将来を見据えた現実的なテーマを分かりやすく取り上げており、住民にとって身近で聴きやすい内容に仕上がっている。一方で、武智市長の発言が多く、他の出演者が十分に話せない場面も見られるなど、発言バランスにやや偏りが感じられた。今後は進行体制やテーマごとの役割分担を工夫し、30分という限られた時間の中で各出演者が均等に意見を述べられるよう構成を整えることで、よりテンポの良い展開が期待される。公平性を保ちながら3市町の連携や地域課題を掘り下げる構成に進化させていくことで、地域の未来を考える魅力的な番組として発展が望まれる。
6. 審議内容
◎A委員
番組は、出演者同士の本音の議論が印象的で、人口減少を前提とした社会課題や、国・自治体サービスの標準化、公共施設の広域共有化など、現実的で踏み込んだテーマが多く取り上げられていた。議論の内容に厚みがあり、聴きごたえのある構成となっていた点が評価できる。今後も扱えるテーマの幅が広く、時事的な話題を取り入れることで、長期的に発展できる可能性を感じた。
武智市長の強い個性は番組の特徴として際立っており、やや独特な表現も含めて個性として許容できる範囲にあると感じられた。一方で、古谷町長は元アナウンサーらしく、全体のバランスを取る役割を自然に担っており、安定した進行が印象的だった。司会の窪田ゆうこ氏が不在の場合でも、古谷町長が中心となって番組を成立させられるだけのスキルを持つことから、今後の進行体制について制作側で柔軟に検討していく余地がある。
全体として、内容・構成ともに完成度が高く、今後の展開にも期待できる番組であった。
◎B委員
番組は、人口減少・高齢化・少子化を見据え、伊予郡市の3市町が連携することを重要政策として掲げてスタートしたものであり、その大きなテーマを伝えるにふさわしい構成となっている。内容は専門的になりすぎず、カジュアルで親しみやすい語り口のため、幅広い市町民が気軽に聴ける点が魅力である。
司会の窪田氏は首長3名を相手に進行するという難しい立場にあるが、現状では古谷町長への依存がやや見られるため、首長としての役割を発揮しやすいようにリードを強化していくことが望ましい。世代の異なる3名によるトークセッションはマネジメントが難しい一方で、異なる視点が交わることで多様な意見が生まれている点も番組の特徴である。
今後、テーマ設定が進むにつれ、市民の関心にばらつきが出る可能性もあるため、聴取者を惹きつける工夫が重要となる。初回から3回分を通して、政策を広く伝えるための新しく効果的な手法であると感じられた。出演者3名のトーク力を活かし、今後さらに内容の深まりと移住者も増えていく市町になることを期待したい。
◎C委員
番組は3市町の首長と司会の窪田ゆうこ氏の4人で構成されており、出演者全員が話す力に長けているため、30分という限られた時間では発言のバランスが難しい印象を受けた。特に武智市長の発言が多く、田中町長・古谷町長・窪田氏が十分に話せない場面も見られた。構成として、窪田氏が各首長と2人ずつ週替わりで出演する形式や、元アナウンサーの古谷町長をMCに据えて3人で進行する方法など、人数や役割分担を再検討する余地があると感じられた。
第3回では初めて人口減少問題をテーマに議論が行われたが、伊予市・松前町・砥部町それぞれの立場が明確に示されつつも、3市町連携としての「落としどころ」がやや見えにくかった。 今後は、共通の方向性を打ち出し、聴き手が理解しやすいまとめ方を意識するとより良くなると考えられる。音楽コーナーについても、リスナーの意見を踏まえ、構成時間を見直す余地がある。
各首長の考えや個性が伝わる番組であり、地域住民にとって有益な情報発信となっている。スポンサー紹介については、各社の露出順に差が出ないよう配慮を行うとより公平で効果的になる。今後の展開に期待したい。
◎D委員
番組を初回から3回拝聴し、企画としては興味深く、地域行政と住民をつなぐ意欲的な試みだと感じた。
一方で、現職の首長3名が出演するという構成上、放送局が行政の立場を代弁しているように受け取られる危うさも感じられた。番組の目的は行政報告ではなく地域課題の共有であると理解しているが、発言内容が首長の方針や考え方に直結するため、選挙期などには公平性の問題が生じかねない。特に武智市長の発言が中心となる傾向が強く、リスナーには番組全体が市長主導で進む印象を与えている。これは経験や立場の差による自然な流れではあるが、バランスの取れた進行を意識する必要があると感じた。内容面では、現状の広域的なテーマ設定も理解できるものの、各市町固有の課題や地域特性に踏み込むことで、より関心を引きやすくなるだろう。首長が直接語ることにより、行政広報とは異なるリアルな視点が伝わる点は大きな魅力である。
今後、他地域への展開を視野に入れる際には、公平性を保ちながら制作意図を明確にする工夫が求められる。全体として、30分という時間設定は適切であり、窪田氏の進行も的確で、今後の改善と発展に期待したい。
◎E委員
番組は新しい試みとして興味深く、地域の首長たちが率直に意見を交わす点は評価できる。一方で、放送を聴いていると、田中町長と古谷町長が武智市長に気を遣いながら発言している様子が伝わり、発言のバランスに偏りが見られる。武智市長の存在感が大きいこともあり、番組としての進行がやや一方的になりがちな印象を受けた。また、30分番組であるにもかかわらず、収録が時間超過する回もあり、制作側として編集や構成に苦労があることがうかがえる。今後は、テーマ設定の段階で時間配分を意識し、各出演者が均等に意見を述べられるよう調整することが求められる。
これまでにない形式で地域のリーダーが直接考えを語る番組は、聴取者に新鮮な印象を与え、地域理解を深める良い機会となっている。番組の魅力を維持しつつ、公平性とテンポの良い進行を両立できるよう、制作側でバランスを取りながら運営していくことが今後の課題である。
7.その他参考事項
次回の議題/『WEEKEND CLASSIC』