第450回エフエム愛媛放送番組審議会
1. 開催年月日
2025年11月27日(木) 午後4時00分~4時30分
2. 開催場所
松山市竹原町1丁目10番7
株式会社エフエム愛媛 会議室
3. 委員の出席
委員総数/5名
出席委員数/5名
出席委員の氏名
委員長/ 稲浦 調
副委員長/ 真木 輝彦
村上 茉利江
二神 一誠
和泉 健弥
放送事業者出席者名
代表取締役社長/倉渕秀俊
取締役総務部長兼放送部長/戸嶋了一
編成制作部長/関千里
4. 議題
「WEEKEND CLASSIC」
5. 議事概要
番組は全体として進行がスムーズで構成も安定しており、週末の朝にクラシックを落ち着いて楽しめる。
一方、クラシックに馴染みの薄い層には楽曲の尺が長く感じられる場面もあり、解説もやや格式張っているため、親しみにくい印象がある。クラシックは重厚で敷居が高いというイメージが残る中で、柔らかい語り口や作曲家のエピソードを織り交ぜる工夫があれば、新規リスナーの獲得にもつながると思う。また、30分という放送時間では楽曲の放送のみとなることもあり、パーソナリティの個性が十分に生かされていない点も課題である。クラシックを気軽に触れていただけるコーナーを効果的に配置するなど、もう少しカジュアルな番組構成にすれば、親しみやすく幅のある番組になると感じた。
6. 審議内容
◎A委員
番組全体を通して進行は非常にスムーズで、構成も安定しており、安心して聴ける内容だった。クラシックを中心に据えた週末朝の番組として、ゆったりと曲を楽しめる点は魅力で、随所に挟まれる豆知識的な情報も理解を助けていた。
一方で、クラシックに馴染みの薄いリスナーにとっては、1曲ごとの尺がやや長く感じられる場面もあり、もう少し短めの選曲でもよいのではないかとも思われた。また、「クラシックを身近に」というコンセプトを踏まえると、解説がやや格調高くまとまり過ぎている印象があり、もう少し柔らかい語り口にすることで親しみやすさが高まるのではないかと感じられた。現状でも特に問題はないが、完成度の高い番組だからこそ、さらなる工夫が加わることを期待したい。
◎B委員
土曜日の朝に聴く番組として、クラシック音楽と教養を同時に楽しめる点で非常に適しており、公共放送のラジオ局ならではの良さがあると感じた。世間ではクラシックから離れる人が増える一方で、イベントなどを通じて“ライトに楽しむ”試みも広がっている。しかし、クラシックにはいまだに「重厚で格式高い」というイメージが強く、クラシックに慣れ親しんだリスナーには違和感なく楽しめる一方、知識のない人や離れつつある人にとっては、やや敷居の高さを感じさせる部分もあるかもしれない。そのため、柔らかいトークや楽曲の背景、作曲家のエピソードなどを分かりやすく紹介するなど、カジュアルさと教養をうまく融合させる工夫があれば、新しくクラシックに興味を持つ層も増えるのではないかと感じた。
現行の番組は典型的なクラシック番組としてしっかりとした構成を持ち、安心して聴ける点が大きな魅力である。今後は従来の格式を大切にしつつも、親しみやすい解説やポップな要素を取り入れることで、新たなリスナー層の拡大も期待できる。
クラシックの魅力を丁寧に伝える安定した番組だが、さらに親しみやすくする余地もある。
◎C委員
クラシックというジャンルを扱う以上、30分という放送時間は短く、番組の殆どの時間が楽曲放送のみとなってしまう。
今後は各楽章の合間に柏原さん自身の思いや選曲理由、聴きどころなどを短く挟むことで、“ただ曲が流れるだけ”ではない、柏原さんらしさの伝わる番組構成にできるのではないかと思う。現状では「今日はこの曲を紹介します」と始まり、そのまま終わってしまう印象があり、せっかくの専門性が十分に活かされていないように感じられた。また、リクエストやメッセージ募集の案内はあるものの実際に紹介がなく、リスナーとの交流が見えづらいところもある。
一方で、柏原さんが関わるイベントやコンサート情報は、情熱を込めて紹介されているので、こうした要素を自然に散りばめることで、より温かみのある放送になるだろう。さらに「アルバムピックアップ」が目立つ一方で、他のコーナーが十分に活用されていない印象もある。特に子どもがクラシックに興味を持ちやすい工夫を取り入れれば、番組全体の幅を広げることにつながるのではないかと感じた。
◎D委員
クラシックを扱う番組として、土曜朝8時という時間帯は適しているものの、30分という放送時間では曲紹介やコーナー構成に限界があり、内容を詰め込みすぎるのは難しいと感じた。実際に五重奏を2週に分けて紹介した回や、高校生ブラスバンドによるディズニー曲の回など工夫は見られるが、クラシックの定義との兼ね合いもあり、構成の難しさが伝わってくる。クラシックは難しい、知識がないと聴きにくいといったイメージを取り除くことが重要であり、番組は継続してほしいと感じる一方で、柏原さんがもう少し柔らかいトークで曲紹介をすることで、親しみやすさが出るのではないかと思った。30分では1曲を通して紹介できない場合もあり、フェードアウトせずに魅力を伝えるには工夫が必要で、特に紹介の仕方に改善の余地を感じた。
また、リクエスト募集の案内はあるものの、リスナーが実際に「リクエストしたい」と思える番組内容にはまだなっていない印象がある。一定数のリクエストが集まれば特集も可能だろうが、リスナーの反応を得たいのであれば、募集方法や番組構成の見直しも必要だと感じた。全体として大きな問題はないが、より聴き手を巻き込む工夫が求められると感じた。
◎E委員
番組全体の進行がやや堅く、真面目さが先行している点が気になった。選曲の解説についても、クラシックにはジャズやロックなど多彩なアレンジがあるため、こうした幅広いスタイルを取り入れることで「クラシックにはこんな楽しみ方もある」と示せるのではないかと感じた。現状は丁寧ではあるものの、曲紹介や解説にもう少し柔らかい語り口を加えるだけで、リスナーがより気軽にクラシックに触れられる雰囲気が生まれるだろう。せっかく良い選曲をしているだけに、あとひと工夫で番組全体の魅力がさらに高まると思う。
この番組はFM愛媛で唯一のクラシック番組であり、長く大切に育てるためにも、用意されたコーナーを効果的に活用することが重要である。楽曲の背景やエピソードを織り交ぜてトークに柔らかさを加えることで、クラシックの敷居を下げ、多くのリスナーに「新しい楽しみ方」を届けられる可能性が広がると感じた。
7.その他参考事項
次回の議題/『太陽石油 presents MiyuuのTrip on Music!』